昨日、BSフジで放送していた〈名作旅してみれば「佃島ふたり書房」〉をみていたらこの本、(出久根達郎著)をさっそく読んでみたくなった。番組は小説の主人公の目線で風景をながめ、なにかを発見するという一風変わったコンテンツですすめられていく。俳優イッセー尾形が案内人だが、著者の出久根達郎さんは集団就職で上京し、月島の古書店に勤め、独立後自身で「芳雅堂」という古書店を杉並区で経営をされている経験をもつ。

 私は佃島には2回行ったことがあるだけでそれほど詳しくは知らない。佃煮屋さん「天安」でお土産に佃煮を買ったことを憶えている。番組は佃島はもちろんだが神保町の古書街へも訪れて、古書店ビジネスの仕組みを紹介してくれたりして古書好きにはうれしい。なんとなくだが、古書店の主人なんて本が好きだったら誰でもなれそうに考えていたが、実際はそれだけでは難しそうだとわかる。ビブリア古書堂の店主、栞子さんがあれだけ本に詳しいのも納得できる。本読んだら佃島に行きたくなるだろうな、と思った。

 で、図書館で在庫のあるところはどこだろうとWEBで調べると、緑図書館においてある。そこで9時の開館に間に合うように今日の午前中でかけた(番組を観た人に借りられてしまったりしていたらムダ足になるしね)。館内には本を読む人、借りる人などがのんびりとした空気感を漂わせていて私も今日はここで本に埋もれて過ごしたい気分になる。カウンターの係の人に在庫を調べてもらい、倉庫にしまってあった「佃島ふたり書房」をもってきてもらった。ついでに書架でみつけた「ちば文学第10号」なる162Pの本も借りた。窓の外をみたら青い空がひろがっていて気持ちがよさそうだ。昨日、買った本「みちくさの名前。野草図鑑」(吉本由美)をみていたので、久しぶりに野草を捜しに原っぱに出かけたくなった。

 家に戻る途中、みちくさをした。家の近くのM大学の農場入り口手前の原っぱに車を止めて、降りてみた。靴裏に、一面びっしり生えた柔らかな草の感触が気持ちいい。ポケットからデジカメ出して草むらをながめると、ヒメオドリコソウ(左下)が群生している。図鑑には、〈ヨーロッパ原産の越年草。茎の上部の葉が赤みをおび、ほこりをかぶったように見える。葉面に小じわが多い。上部の葉のわきにピンクの小さな唇形花を輪状につける〉とある。拡大しないと見えないが、まわりに小さく青い花を咲かせているのがイヌノフグリだ。

 この花をみると私はKKを思い出す。高校2年生だった私たちは学校帰りによく近所の山や林にでかけた。ちょうどこの時期、あぜ道の脇に咲いていた名前も知らないこの花が可愛くて、ふたりで数本摘みとってからKKは大切そうに抱えて家にもって帰った。翌日聞いた話だが、それをみたKKの母親は「あんた、その花の名前を知ってるの?」といって笑ったそうだ。でもイヌノフグリと教えてくれてもその言葉の意味がわからないKKは、「フグリってなに」と母親に訊いたら、「自分で辞書調べてごらん」といわれてしまい、辞書ひいて初めてその意味がわかったと声をひそめて私に告げた。私も知らなかったが、そのときKKに教えてもらってから忘れられない花の名前になった。春になって空き地にこの花が咲いているのを見つけると、KKがその名前を私に告げたときの照れたような笑顔を思い出す。かわいい、ねぇ(笑)。

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 右上のお馴染みのタンポポは帰化種のセイヨウタンポポだ。在来種のカントウタンポポはあまり見かけないが苞外片が反り返っていないので、見分けることは簡単だ。さて、目ぼしい春の花3種類をここで見つけた。気持ちがいいのでもう少しみちくさを喰っていたい。そう考えてちかくの「高田排水路西部支線調整池」周辺の散策を思いついた。外房道路をくぐるトンネルを抜けたところに車を止めて歩きはじめた。他にもふたりほど散歩する人を見かけたがみなさん、いかにも気持ちがよさそうだ。

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 ちかくでウグイスの鳴き声がする。今年初めての初鳴き?なのかケキョケキョをくり返している。まれにホーホケキョと完全バージョンが聴けるが、なんとも長閑で優雅な気分がする。上左はギシギシで、おひたしやあえ物、味噌汁の具などにも使う。右がハルジオン(春紫苑)、もしかしたらヒメジョオン(姫女苑)かもしれない。「みちくさの名前。雑草図鑑」には見分けの方法が詳しく書いてあるのにぃ、しかもその本を持ってでたのにぃ、デジ撮ったら安心してよく確認しなかった。「ビンボウグサ」、「テツドウグサ」とも呼ばれているらしいが、正確には次回の機会に。さて下段左はマメ科の植物、カラスノエンドウだと思うのだがはっきりとは断言できない。しかも右の紫色の花は庭の境界線などに群生しているので園芸種なのだと思う。名前はわからないが、最近よく見かける。

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 調整池を過ぎて道を渡り、さらにすすむ。畑の境に垣根が出来ている。赤とピンクの椿の花がこぼれんばかりに咲いていて、ひと際目を引く。あぜ道を歩いてUターン、反対側を歩く。小さな農業用水用の小川が流れているが、魚はいないようだ。太いイタドリが繁殖していたので一本ちぎって柔らかそうなところをかじってみる。酸味があって美味しい。上左は真っ黄色に咲いている山吹の花だが、強い生命力を感じさせる。調整池に戻るとベンチが整備された周辺の道に設置してある。市の公園課が設置したのだろうか、桜の木の下に小さな白いすずらんが清楚に咲いていた。時計をみると、12時だった。お腹も減った。家にいったん戻って弁当持って泉公園に行こう、と閃いた。

 家の近くの図書館で「野草雑草観察図鑑」を借りた。家に戻り鼻うた気分でサンドイッチを作った。玉子を茹でて、マヨネーズで和えて、ハムとチーズをはさんで用意した。車に乗るとガソリンが少なくなっていたので、泉公園に行く前にいつものガソリンスタンドによってガソリンを注油していたらにわかに空が暗くなった。突然、雨が落ちてきた。エーッ、洗濯物干してあるしぃ、と慌てて家に戻る(トホホ)。雨がやむのを待っていたが結局やみそうもないので、せっかく作ったばかりのサンドイッチを家で食べることにした。ほんとうは泉公園の緑の芝生の上で食べたかったのに、ザンネン。

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