2016年02月

欠落を補う

朝食:ホットドッグ ヨーグルト 紅茶
昼食:チキンオムライス 白菜の漬物 コーヒー ほうじ茶
夕食:お好み焼き 福神漬け ほうじ茶

 〈私はモラヴィアの「倦怠」(河盛好蔵)という小説を読んだ。近頃こんなに面白い小説を読んだことがない。六十代の老作家が、若い小説家には決して書けない恋愛小説を書いたものだが、兎に角眼が違うのだ。眼が違うことでも身につかなければ、何時までたっても空しき六十歳である。この小説では、六十五になる色狂いの書家が腹上死をした、その翌日から話が始まる。宇野さんに読ませたい。モラヴィアはこの爺さんを相手にもしないから、死んだことにして登場させていないが、誰もこの爺さんに敵はないので、題して「倦怠」という。〉

無題 大切にしている本、「青山二郎文集増補版」(青山二郎)を久しぶりに手にして読んでみた。読むすすめていくうちに付せんを貼った個所にぶつかった。それが上記に引用した文だが、宇野千代さんについて書かれた「夜眼、遠眼、傘の内」のなかに登場する。本の帯に、〈「文学界」同人の精神的支柱、青山二郎。真贋を見抜く「眼」が、美を語り、人物を描く〉とあったが、当時の交友ぶりがわかって楽しく、しかも興味深く読める内容だ。

 モラヴィアの作品はだいぶ前に読んだし、映画化された作品もたしかDVDで視ている。付せんが貼ってあるってことは、この本を読んでから「倦怠」に興味を持ったのだろうか、それとも逆か。どちらが先でもかまわないことだが、いずれにしても記憶は定かではない。きっとこんな調子がこの先も続いて、過去の感動や、記憶の蓄積も次第に少しづつ欠落をしていくのだろう。さいきん、夢中になっているBDディスクへの書き込み作業もきっとそんな欠落を補うつもりなんだろうと思う。そう思うとチョイ自分自身を愛おしく感じてくる。


キャンピングカーショー

朝食:メゾンカイザーのクロワッサン ヨーグルト マリネ(セロリ、胡瓜、大根、人参) 紅茶
昼食:チキンライス ポークソテー サラダ(ホウレンソウ、キャベツ、ポテト、ハム) ほうじ茶
夕食:パンケーキ 無花果ジャム 白菜の漬物 コーヒー

 ちまちまと日々のブログを書き連ねていたのに、ここ数日は更新にめずらしく間があいた。身体がだるくて、気力がイマイチなのは抗がん剤による副作用なんだろう。いまや二人に一人がかかるといわれるがんだが、そのうちのがん患者の8割が抗がん剤治療を受けると言われている。現れる副作用の症状は人によって様々だが、私の場合軽い吐き気や下痢などをのぞけば嘔吐や食欲不振などはラッキーなことにまだあまり感じない。とはいえ、月曜日に予約していた抗がん剤投与(XELOX療法)のための通院をうっかりと勘違いをしてパスしてしまった。気がついたのは病院から連絡があってからだが、これで一週間予定がのびてしまった。

 昨日は午前中、肝臓外科の教授の診察があった。肝臓に転移したがんをアルプス方式という2回に分けた手術で切除してくれた執刀医だ。画像に映しだされる私の肝臓の画像を見ながら説明をしてくれる。取り除いたはずの肝臓のがんが、またぞろ新たにソバカスのようにいくつか映しだされる。再手術をして取り除くには数が多いので無理だそうだ。抗がん剤が効いて数が減るなり、縮小するなりすれば可能だがといわれる。ってことは、「先生、もし抗がん剤が効かないで数が減らなかったりしたらヤバイですね」と私。医師は頷き、いまは抗がん剤治療に専念してくださいと穏やかな表情をうかべて言った。そうだね、そうしてその結果次第で次の手を打とうということだった。

 抗がん剤治療は始まったばかりなので、どうやら長期戦になりそうだ。いままで治療すれば治らない病気などないとなんとなく考えていたけど、そんなことはないのだぞと現実をぶつけられた気がした。まッ、生きとし生けるものすべてが限りある生命をいきている。いざとなれば運命を天に任せるほかないではないか、ぼんやりとそんなことを考えた。

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DSC08849 病院をでて蘇我駅についた。幕張メッセで開催中の「ジャパンキャンピングカーショー2016」へいってみようと足をむけた。海浜幕張駅について時計をみると11時過ぎだった。お腹が減った。なんか食べようと考えて、結局駅構内のショッピングモールで寿司をチョイスした。看板には「魚力寿司」とあったが、カウンターだけの小さな寿司屋さんだ。セットメニューのなかから、まずは中トロ、トロサーモン、鰤トロの「トロ三貫」をチョイス。続いて「光食べくらべ」とあった、真鯵、真鰯、しめ鯖、シマ鯵をチョイス。うーん、まだ少し入りそうだ。で、寒ブリ、アイナメ、ほうぼうの「おすすめ3貫」をガツガツっといった食べっぷりで完食したが、味のほうは副作用の影響でチンプンカンプンだ。ものにもよるのだが、概ね味覚のほうは魚の繊細な油の旨みや、香りなどはまったくといっていいほどチグハグ。過去の舌の記憶を総動員して適当に判断をして呑み込んでいるにすぎない。はやく美味しく食べられるようになりたい。

 メッセ会場に到着。平日で寒い日だったが、思ったよりも少なめな客にチョッピリブームの陰りを感じる?ッなことはないだろうが、どうしたことだろう。各メーカーの力作がずらりと並んでいるのだが、なるほど会場内を見ていて思いあたることをいくつ感じた。

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 たしかに車中泊の旅行や、キャンピングカーの旅もブームには違いない。定年退職したオジサンの一人旅や中年カップルの全国グルメ旅、名所めぐりなども増加の一途だと感じるが、いかんせん受け入れのための施設がまだまだ不十分だと思う。しかも、料金的にも割高感があって、本州のあのオートキャンプ場の料金設定にはあきれてしまう。たいしたロケーションでもないのに、一泊6000円などというのはぼったくりも甚だしい。むかし、よく行った八ヶ岳周辺や、塩原の箒川近辺では私しか知らない秘密のキャンプ場がいくつかあって、川沿いの無料露天ぶろや釣り場なども点在していて、会社終わりに車飛ばして楽しんだものだ。

 どうやってそういう場所を見つけるのですかって?まず、出かける前にじっくりと国土地理院発行の2万5千分の1の地図を穴のあくほど読みこむことから始まる。少々読図の知識は必要だ。すると、大体の地形が目にうかんでくる。そのなかから秘密のキャンプ地に向きそうなポイントをいくつかピックアップしてマーカーで印をつけておく。人目につかないか、傾斜はどうか、日当たりや、植生などもチェックしておく。こうして見つけておいた場所にほとんど外れたことはない。ただし、朝起きて食事を終えて立ち去る際にはゴミ一つ落としていかないように最新の注意をする。落していっていいのは感謝の気持ちのみだ。

 キャンピングカーショーに展示されているモデルカーを見て気がついたのだが、海外メーカーの大型キャンピングカーなどのニーズは日本ではあまりないと思う。それよりも、私のような一人用のキャンパーのニーズは確実だ。にもかかわらず、仕様がカップル向けだったり、就眠時の設営に手間のかかるものだったりと、一体これを設計したのは実際にキャンピングカーを使ったことがあるのかと不思議に感じたりした。軽自動車に、これでもかとばかりにあれこれ詰め込んで価格を上げようとしているのは分かるが、もっとシンプルな工夫ができないものかと感じながら少々お寒い会場を後にした。

ダビング三昧

朝食:トースト(バター、無花果ジャム) ヨーグルト 紅茶 コーヒー
昼食:ピラフ ポークソテー たまり漬けラッキョ ほうじ茶
夕食:焼きそば りんご 野沢菜漬け 伊予かん ほうじ茶

 終日BDディスクにダビングをしてすごした。ついでにむかし記録しておいたディスクをついつい視てしまう。知に関する番組が多いのだが、ガーデニング、アンティーク、歴史なども多い。10年以上もたった番組が多いのだが、そのころの私の興味の傾向を知ることができて楽しかった。


朝食:トースト(無花果ジャム) ヨーグルト 紅茶
昼食:ステーキ サラダ コーヒー ピーナッツ ちりめんせんべい ほうじ茶
夕食:鶏おこわ コロッケ 明太子塩辛 ナムル ほうじ茶

1468152 終日、録画したBDディスクを視て過ごした。体調も万全ではないので、用事がなければ外出は控えるようにしている。PC教室も前回で卒業することにして、予定のスケジュールはキャンセルした。ちょうど、Eテレの趣味どきっという番組で、「楽しくスマホ脱初心者への道」が始まってテキストも買った。寒い思いをして出かけなくても済むし、録画してディスクにコピーする予定なので便利、しかもタダだ。

 米ドラマ「ブラックリスト」のシーズン3のなかで、FBIから逃走中のレビントンとエリザベスが秘密の場所に隠れているシーンで。レビントンが語る子どものころからの夢の話を聞き終わったキーンがいう。「あなたならいい船長になったでしょうね」と。それに応えてレビントンが、「人生でしたいこと全部はできない。自分の選んだものだけで満足しなければ」というセリフ、おもわず頷いてしまった。
 
 今、PCのキーボードをたたいていたら電話が鳴った。だいぶ前に北海道の水産業者から電話で購入したことのある冷凍した蟹を、また注文してくださいとの勧誘電話だった。鍋にしてもバター焼きにしてもおいしいですのでというので、つい買うことにしてしまった。訊けば値段は昔に比べてだいぶ高めだが、久しぶりのお試しだと考えて断らなかった。届いたら、料理してデジに撮ってブログにアップします。


初めてのラーメン

朝食:トースト(無花果ジャム) ヨーグルト 紅茶
昼食:おにぎり1個(すじこ) 牡蠣フライ(宅配の大粒牡蠣を揚げて) たくあん 野沢菜 緑茶
夕食:鶏おこわ 天ぷら(菜の花、鯵) アサリ佃煮 ほうじ茶 伊予かん

title_11 もう10年以上も昔のことだ。月一回のペースで通っていた市内のクラブにMAという中年ホステスがいた。私とは色恋抜きの関係だったが、付き合いは長かった。このMAが長いホステス勤めをやめて、M社の営業所近くに亭主と一緒に居酒屋を始めた。もちろん、ここでも私は会社から近いということもあり、社員を連れて利用した。あるとき、千葉のおいしい炒飯の店はどこだという話題になって、この夫婦が稲毛にある「進来軒」をトップに挙げた。なんといっても市内ではこの店が一番だと夫婦が口をそろえていう。でもTさん、行くんだったら必ず店主が作ったのを食べてねという。もちろん、数日と経たずに私は進来軒へ行って店主のつくった炒飯を食べた。

 なるほど、運ばれてきた炒飯にスプーンを入れるとはらりとご飯が崩れて、いい香りが立ちのぼる。一口頬張ると甘い香りを感じる深い味わいに充たされた。美味しい、そう思って何度か通ったが、どういうわけかその店で食べるのは炒飯一辺倒で他の料理には眼もくれなかった。住宅地のなかの駐車スペースもない店なので、頻繁に通うというわけにもいかなかった。

 今日、朝からずーっと録りためておいた番組をBDディスクにダビングをしてすごした。20枚のディスクに数十タイトルをダビングして、過去に録画したままにしておいたハンディカムのテープなどもふくめてコピーした。なつかしい画面に見とれているとあっという間に時間がすぎてしまう。そんな中でBS日テレの「世界に誇る日本の美食ヒストリー・ミシュランも認めたラーメン100年史」というタイトルの番組に、日本で初めてラーメンをつくった尾崎貫一の末裔が見とめた店として「進来軒」が登場した。番組によると、1910年、当時横浜の税関職員だった尾崎は中華街から15人の料理人を引き抜いて浅草に「来々軒」という中華料理の店を開店させ、浅草を代表する名店として繁栄をすることになる。

 番組ではかって、「来々軒」で修業した人として「進来軒」のあの店主が登場した。ちょっとびっくりした。そうか、それなら日本に初めてラーメンを登場させたその味とやらを今度ぜひ味わってみようと思った。そのラーメン、店を訪れた俳優の宮川一郎太が食べていたが、東京ラーメン風の澄んだスープが美味しそうだった。他のラーメン店を訪れたもう一人の女優の佐藤栞、コメントがとても上手でおもわず食べてみたくなるその素直な表情と愛らしい表現に微笑んでしまう。出たがり芸人たちの押しつけがましい食レポとはひと味違う、そよ風のような爽やかさを感じた。

 写真のラーメンは銀座にあるミシュラン掲載店の「麦とオリーブ」のはまぐりラーメンだ。このラーメンも一度チャレンジしたい。佐藤栞のような可愛いリアクションはムリだが、年齢にふさわしく「ムッムッ」などと低く、静かにつぶやいてみようか。

食器を記録

朝食:トースト(ピーナッツクリーム) ヨーグルト 紅茶 ペラゴロで買った豆を挽いてコーヒー
昼食:カップ麺(天ぷらそば) 緑茶
夕食:寿司(鮪、サーモン×2、シマ鯵、鯵、鰤) 千枚漬 ズワイ蟹とレタスのマヨ和え 生菓子

 昨夜、尿意を感じてトイレに起きる。なんだか唇が腫れぼった気がするので鏡を見てみた。なんと、唇がぼってりとふくらんで顔つきが変わっている。ナンだよ、これはとギョッとしたが考えてみたら、薬の副作用にちがいない。病院で渡された小冊子に書かれていた症状とおなじだ。へえ、こうなるのかと、しみじみ鏡のなかの自分自身を見つめた。薬が効いている証拠だ、そう思って一応安堵した。
 
 3時半に病院で、MRI検査。帰りに鎌取のイオンへよって食材の買い物をすませる。フリースの上からダウンベストを着てでたが、寒さに身体のなかまで冷え切ってしまった。家に戻って熱い大福茶を淹れた。買ってきた寿司を頬張りながら、ゴクゴクとノドを鳴らして飲んだら、少しずつだが身体が温まってきた。昨日買った食器にさっそく夕食を盛りつけてみた。忘れないうちに買った食器を以下のようにデジに記録として収めた。多治見市美濃焼振興会なるブースで買ったものが多い。

DSC08830DSC08831鼠十草平鉢(16cm)







DSC08832DSC08833亀甲丼赤(13cm)







DSC08835DSC08836角型小鉢(12cm)







DSC08834DSC08837魚形向付(20cm)
重ね角皿波千鳥(13cm)






DSC08839DSC08841葡萄デザート鉢(12cm)
桔梗小皿(8cm)






DSC08842DSC08843達磨型平皿(丸十製陶)
箸置き×2(丸十製陶)
富士山小皿(白)
松小皿(緑)






テーブル・ウェアショー

朝食:ソーセージパン ヨーグルト りんご 紅茶
昼食:ドーム内の特設レストランで、カツサンドイッチ コーヒー(トラジャアルコ) 
夕食:讃岐うどん(生玉子をトッピング) コカコーラライト 緑茶

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 東京ドームで開催中の「テーブルウェアフェスティバル」に数年ぶりに出かけた。寒い一日だったが、会場内は中年女性でにぎわっていて、男性客は一割もいただろうか。広いドームいっぱいに展開する世界中からの窯元や、国内のメーカーなどめがけて、客が殺到する賑わいをみせていた。広い会場内のブースをひとつひとつ丁寧に見て回っていたら、メチャクチャ疲れた。

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 相変わらずのオリエンタルロードと名付けられた骨董通りも健在で、久しぶりにゆっくりと和&洋のアンティークを堪能した。もちろん、買いはしないけれどもね。その代わりといってはナンだが、国内の窯元からの売り出し商品を数点購入した。もちろん、衝動買いに決まっているのだが、それにしても魅力的な食器がこれだけたくさん一堂に集められるなんていう機会はあまりない。こうして過去に買った食器の数点はいまでも元妻の食器棚に収められている。今回は一点づつの買い物に終始した。ひとり暮らしなので、揃いで買い求める必要もないからだ。

DSC08829 とはいえ、結構な疲労感を感じる。時計はもうすぐに3時になる。そろそろ帰ろうと思い、ディバックと手提げの紙袋に買った商品をつめて出口に向けて階段を上がっていく。途中の椅子でひと休みして肩でハアハアと息を吐く。ちょうど通りかかったコーヒーの売り子さんに声をかけて一服。おのののか越えられるといいね、と声をかけたらご覧のような笑顔が返ってきた。


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