朝食:ホットドッグ ヨーグルト 紅茶
昼食:チキンオムライス 白菜の漬物 コーヒー ほうじ茶
夕食:お好み焼き 福神漬け ほうじ茶
〈私はモラヴィアの「倦怠」(河盛好蔵)という小説を読んだ。近頃こんなに面白い小説を読んだことがない。六十代の老作家が、若い小説家には決して書けない恋愛小説を書いたものだが、兎に角眼が違うのだ。眼が違うことでも身につかなければ、何時までたっても空しき六十歳である。この小説では、六十五になる色狂いの書家が腹上死をした、その翌日から話が始まる。宇野さんに読ませたい。モラヴィアはこの爺さんを相手にもしないから、死んだことにして登場させていないが、誰もこの爺さんに敵はないので、題して「倦怠」という。〉
大切にしている本、「青山二郎文集増補版」(青山二郎)を久しぶりに手にして読んでみた。読むすすめていくうちに付せんを貼った個所にぶつかった。それが上記に引用した文だが、宇野千代さんについて書かれた「夜眼、遠眼、傘の内」のなかに登場する。本の帯に、〈「文学界」同人の精神的支柱、青山二郎。真贋を見抜く「眼」が、美を語り、人物を描く〉とあったが、当時の交友ぶりがわかって楽しく、しかも興味深く読める内容だ。
モラヴィアの作品はだいぶ前に読んだし、映画化された作品もたしかDVDで視ている。付せんが貼ってあるってことは、この本を読んでから「倦怠」に興味を持ったのだろうか、それとも逆か。どちらが先でもかまわないことだが、いずれにしても記憶は定かではない。きっとこんな調子がこの先も続いて、過去の感動や、記憶の蓄積も次第に少しづつ欠落をしていくのだろう。さいきん、夢中になっているBDディスクへの書き込み作業もきっとそんな欠落を補うつもりなんだろうと思う。そう思うとチョイ自分自身を愛おしく感じてくる。
昼食:チキンオムライス 白菜の漬物 コーヒー ほうじ茶
夕食:お好み焼き 福神漬け ほうじ茶
〈私はモラヴィアの「倦怠」(河盛好蔵)という小説を読んだ。近頃こんなに面白い小説を読んだことがない。六十代の老作家が、若い小説家には決して書けない恋愛小説を書いたものだが、兎に角眼が違うのだ。眼が違うことでも身につかなければ、何時までたっても空しき六十歳である。この小説では、六十五になる色狂いの書家が腹上死をした、その翌日から話が始まる。宇野さんに読ませたい。モラヴィアはこの爺さんを相手にもしないから、死んだことにして登場させていないが、誰もこの爺さんに敵はないので、題して「倦怠」という。〉
大切にしている本、「青山二郎文集増補版」(青山二郎)を久しぶりに手にして読んでみた。読むすすめていくうちに付せんを貼った個所にぶつかった。それが上記に引用した文だが、宇野千代さんについて書かれた「夜眼、遠眼、傘の内」のなかに登場する。本の帯に、〈「文学界」同人の精神的支柱、青山二郎。真贋を見抜く「眼」が、美を語り、人物を描く〉とあったが、当時の交友ぶりがわかって楽しく、しかも興味深く読める内容だ。
モラヴィアの作品はだいぶ前に読んだし、映画化された作品もたしかDVDで視ている。付せんが貼ってあるってことは、この本を読んでから「倦怠」に興味を持ったのだろうか、それとも逆か。どちらが先でもかまわないことだが、いずれにしても記憶は定かではない。きっとこんな調子がこの先も続いて、過去の感動や、記憶の蓄積も次第に少しづつ欠落をしていくのだろう。さいきん、夢中になっているBDディスクへの書き込み作業もきっとそんな欠落を補うつもりなんだろうと思う。そう思うとチョイ自分自身を愛おしく感じてくる。