2015年01月

暖かくなったら

156595_01 冷たい雨の降る寒い一日。フリースの上着にウルトラライトダウンを着こんで部屋の中をうろうろするしかない日を過ごしている。本、「男性論」(ヤマザキマリ)を読んだ。久米宏と檀蜜が話題の本を紹介するTV番組の「久米書店」にこの人が出ていたのを見ていて面白いと感じたからだ。古代ローマと日本の銭湯を描いてヒットした映画「テルマエ・ロマエ」も1作、2作目も観ていたしね。本の中ではラファエロや、主婦向けの雑誌「暮らしの手帖」の花森安治、ハドリアヌス帝、プリニウス、スティーブ・ジョブズ、安倍公房など著者お気に入りの男性たちがとり上げられていて、〈ボーダレスなセンスをとことん楽しめる。時代の変化を敏感に読みとる直観力と、空想を具現化できる技術を持っている。わたしはこれぞ「男子の魅力」と思うのです〉と書いている。異文化を知る興味も相まってあっという間に読了した。

 ところで長年使っているライブドアのメールがとつぜん使えなくなってまことに不便。新しいアドレスをGoogleで取得した。先月の電気料金が2万円を超えて請求がきた。ほぼ1日中暖房を効かせているので仕方がないのだが、寒いのは我慢がならないので自分へのご褒美と考えるようにしてる。

images 少し前の夜、なにげなくつけたTV番組で「孤独のグルメ」シーズン4の一部を観た。個人で貿易商を営む主人公、井の頭五郎(演じているのは重松豊)が仕事で訪れた土地でメシを食う、という一風変わったドラマ仕立てのグルメ番組だ。そのあまりの食いっぷりのよさに最近、食が細くなった私などうっとりと画面に見入ってしまう。さっそくアマゾンで「孤独のグルメ」(久住昌之原作・谷口ジロー作画)、「「孤独のグルメ巡礼ガイド」の2冊を取り寄せた。DVDも発売されているらしいのでシーズン1からぜひ観てみたい。そして目についた数店を選びだして、暖かくなったら井の頭五郎気分で食べに行きたいなどと夢想している。

THE LOOK OF LOVE

41FTAli2N+L ブランド名が思いつかないのだが、お気に入りのパジャマのズボンをさがし出そうとしてクローゼットの中、ストックケースの中を一時間ほどひっくり返してみたがどうしても見つからない。どこへしまったんだろう。気に入っていたので処分するはずはないのだが、キツネにつままれた気がする。むかし付き合っていたNからのプレゼント品だが、ブランド名が思いだせないのでネットで再購入もできない。うーん、いやちょと待てよ思いだしてきたぞ、そうだアバクロだった。バジャマのデザインは紺地にムース(鹿)が数匹白抜きしてあってかわいい。生地も厚めでしっかりしていてウエストサイズも緩めで現在の私にジャストフィットのハズだ。おなじものが見つからないにしても、ネット通販で探してみたい。写真はこのあとネットで探した同じタイプのものだが、現在在庫なしとある。

 最近、マンションの駐車場で見かけていた食材の宅配業者からカタログをもらい、手続きをして数品注文をした。来週の月曜日に届けられる予定だがチョイ楽しみ。生鮮食品の買い物は歩いて10分のスーパーへ行けばいいのだが、暮にハイエースをついに廃車処分にしたので毎回の買い物もチョイ不便に感じていたのだ。運動不足のためにめっきり筋肉も落ちてきているので、宅配だけに頼りすぎないようにするつもりだ。仕事は顧客の残債回収のみにするのでおもいきって車を処分した。必要なときは目の前のガソリンスタンドのレンタカーを利用すればことは済む。一日12時間借りて2700円という格安のレンタル料は所有する維持費を考えるとはるかにお得だ。

 寝室は概ね北側というのがスタンダードだとしても、冬は加齢のせいもあるのだろうがとくに寒さを感じる。で、スーパーで買った4000円の電気敷き毛布の温かさといったら、この上なく大正解だった。もっと早くに買っておけばよかったという商品だ。最近などは夕方6時をすぎると早々と居間を引きあげ寝室に移動し、ベッドの中からテレビをみたり本を読んだりしてしまう。喉が渇くのでサイドテーブルに湯ざましを用意するが、ポカポカに温められた電気敷き毛布と羽毛布団に包まれる瞬間は至福の思いがする。

 ところで暮の4日から11日まで入院手術。入院時、末弟が町田から前泊して病院まで付き合ってくれる。その日のうちに手術ということになり末弟には世話をかけてしまった。入院中も弟や義妹たちの見舞いをうけて、退院後も何度か訪問をしてれる。正月の二日には兄弟そろって近くの八幡神社へお参り。現在の私は2週間間隔で通院治療の日々を過ごしている。入院中、看護師さんたちの懇切丁寧な仕事ぶりと対応に感動する。IKからの電話で(暮にくも膜下出血で入院していたという)、やはり看護師さんたちの仕事ぶりには頭が下がる思いだと共感をする。TVでも武田鉄矢が入院時の看護師さんたちの対応を絶賛していた。ほかの人はどう感じるのか私にはわからないが、病院食もとてもおいしく感じてすべて完食。普段の生活が自炊という身にしてみれば、あれこれ献立のチョイス煩わしさもなくベッドで管理をされたメニュウの上げ膳据え膳は快適だった。

 退院4日後、Mからの強引なカラオケの誘いに付き合うが、術後だと知られずにフツーに10数曲歌う。数日後、AB君も最近ハマっているヤフオクで買った掃除機のルンバを見てくださいよとばかりに私の部屋に持ち込んで、一時間ほどのおしゃべりの間ルンバをかってに稼働させておいた。そして吸いこんだ埃とゴミの量に満足して私にドヤ顔してみせた。ひとり暮らしなので購入する必要性は感じないが、おかげで部屋の絨毯の埃も一掃できてその効用とAB君に感謝した。

 最近の読了本。
 「荒地の恋」(ねじめ正一)、帯にこうある。〈53歳で親友の妻と恋に落ちたとき、詩人は言葉を生きはじめた。詩神と酒神に愛された男・田村隆一。感受性の強いその妻・明子。そして、明子と恋に落ちる北村太郎。荒地派の詩人たちの軌跡を描く力作長編小説〉。読みながら行間から立上る光景を想像しながら、私だったら北村太郎にはならないな、とまったく異質な心情を感じぜずにはいられなかった。こんなメンドーな人間関係は不用だ。

 「スワンソング」(大崎善生)、児玉清氏激賞!とある。〈押し寄せる清々しい感動の大波に、滂沱の涙を流した〉と。描かれている恋愛の感性に共感はしないが、理解は可能。とはいえ滂沱の涙は流せなかった。

 「日記」(高橋たか子)、〈魂の軌跡を紐解く高橋たか子の初公開の日記〉。5月18日、「帰らざる夜明け」というフランス映画を見ての感想。〈描かれているのは1934年、ゆたかな田園の只中の小さな村落の、人間生活である。ところで初老の女主人公(シモーニュ・シニョレが演じる)は、戦争で夫を亡くしたあと、同じ家に住む義父からも義弟からも犯され続け、一人の労働力として利用されるままの年月を生きてき、しかし、農業国フランスの大地にしっかり根をはやした、強い忍耐の女。そこへ飛び込んできた脱獄囚の青年(アラン・ドロン)に気持ちを惹かれつつ、青年のほうはといえば、この初老の女も、村の若い女の子二人をも、弄んだ挙句、やがて追ってきた警察隊の銃弾に遇って死に、初老の女は流れ弾にあたって死ぬ。

 そう、この女は、フランスのアレゴリーなのだ。ドイツから犯されつづけたフランス。芸術の国であるよりも何よりも豊かな農業の国であるフランス。けれども「帰らざる夜明け」というタイトルが表しているように、フランスに夜明けは来ない。制作の都市である1971年に、フランスはまだ夜明け以前の薄闇にとどまっている、という意味のことだろう〉。

 「33年後のなんとなくクリスタル」(田中康夫)、〈1980年に大学生だった彼女たちは、いま50代になった〉とあるがベストセラーの「なんとなくクリスタル」をリアルで読み、チョイマネしたミーハーなあのころの気分を思いだした。装丁も美しい。

 「壽屋コピーライター 開高健」(坪松博之)、開高ファンの私にしてみれば待ってましたのたのしい読みもの。下は本の中から見つけた1979年、サントリーオールドのグラフィック広告用の開高さんのコピーだ。さすがというべきかほれぼれとしてしまう。こんなコピーで口説かれたらオールド買うでしょ。

 跳びながら一歩ずつ歩く。
 火でありながら灰を生まない。
 時間を失うことで時間を見出す。
 死して生き、花にして種子。

 酔わせつつ醒めさせる。

 傑作の資格。

 この一瓶。

 「ひたすら面白い小説が読みたくて」(児玉清)、文庫本の解説をアンソロジーしたもの。とても俳優の余技とは呼べないレベルに達している。児玉さんの解説を読むとどうしてもその本が読みたくなってたまらなくなってしまう。なかでもとくに読書欲を掻き立てられた以下9冊が、私の読みたい小説ベストリスト。 

 宇佐江真里 「夕映え」
 上橋菜穂子 「神の守り人」
 北方謙三 「鬼哭の剣-日向景一郎シリーズⅣ」
 北原亜以子 「贋作 天保六歌撰」
 佐伯泰英 「攘夷 交代寄合伊那衆異聞」
 竹田真砂子 「牛込御門余時」
 玉岡かおる 「天涯の船」
 蜂谷涼 「雪えくぼ」
 和田竜 「忍びの国」

 なんとなくPCに向って久しぶりにブログを書く気分になった。2週間おきに通院治療の身体だが気分のいいときにこのブログ「T氏のWEB日記」は続けていきたい。とはいえ毎日というわけにもいかないので、ときどき更新スタイルでのんびりと記録を遺しておきたい。さっきからBGMにダイアナ・クラールのお気に入りのアルバム、「THE LOOK OF LOVE」をリピートにして流している。どうにかそんな気分になったのだ。


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