2012年11月

写真整理

 どこかに隠れていたのか、闇のなかからいきなり目の前に現れたYさんが早口でかくまってほしいと私に訴える。真剣な表情で顔がふれなんとするほどの距離で、荒い息使いが生々しい。車に乗せ、わが家にむかう。さて、どうしようか?と頭のなかで考えをめぐらせたところで目が覚めた。夢だったのだが、ひとり暮らしの彼女に何かあったのだろうか、とちょっぴり気になった。それにしてもこんな突拍子もない夢をみるのはひさしぶりだ。

 もしかしたらこの2,3日、古い写真の複写をしようとデジに収めていたときに手にした写真のせいかもしれない。Yさんの写真があったわけではないが、彼女が勤めていた数年前のショップ「F」の写真など手にしたことが理由だろうか。古いアルバムから外した写真が未整理のまま数百枚ほどあるのだが、すべてデジにコピーして整理をしようと思いたち、寒い日々が続くなかこれ幸いとばかりに部屋にこもって一枚づつパチリパチリを繰り返していたのだ。

 少年時代から始まって現在までの写真をデジで整理しようと思いたったのはどんな風の吹きまわしか?たぶん生前整理、という気分だったのかもしれない。ところが、始めてからなかなか先に進まない。一枚手にとってはそのたびごとに懐かしんでしまうからなのだが、まあ急ぐことでもないので時間をかけてこの作業を楽しみたい。ちなみに古い写真の複写方法は、無反射ガラスをかぶせて三脚にセットしたデジで光の反射を防ぎながらシャッターを切る、という方法をとった。私の経験からこれが一番うまくいく方法なのだ。

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 とりあえず上の2枚を紹介する。左は私が中学生の頃の修学旅行専用列車、「ひので」だ。まだ新幹線などない時代だが、これで京都・奈良へ行ったのだ。そのときの同級生の顔や名所旧跡などが写っている写真を眺めてはいちいち想い出にひたるのだから整理に時間のかかることかかること(笑)。右はボーイスカウト時代、2泊以上のキャンプで使う立ちかまどだ。こうすればいちいちしゃがむことなく調理ができるのだ。撮った場所は連盟の山中野営場。

 だいぶ以前、新聞の相談欄で親の残していった写真アルバムをどう処分すればいいのか、という記事を読んだことがあった。難しい問題だよね、やたらと捨てられないし、かといって自分たちがいなくなればその処分はいったい誰がするのだろうと心配にもなるし。記事の答えは忘れてしまったが、私の場合はすべてPCに収めて紙の写真はいつか処分するつもりだ。ディスクにコピーしておけば問題ないしね。

六義園紅葉

 一昨日、西村賢太の「苦役列車」を読んだ。第144回(2010年下半期)芥川賞を受賞した作品だ。面白くて半日で一気読みした。読んでいるうちに小説に描かれた場面が次々と頭にうかんできた。これはきっと映像化されているにちがいないと思いさっそくWEBでしらべてみた。案の定今年の7月に山下敦弘監督の手によってメガホンがとられ東映から公開されていた。どう映像化したのだろう、興味がわいてきて映画を観てみたくなった。

 が、DVD化にはまだ早いのだろうTSUTAYAにはない。なら上映中の映画館は?とおもってしらべると世田谷の、「三軒茶屋シネマ」でやっている。そういえばAKB48の前田敦子が出演とかでたしかチョイ話題になったのを思いだした。なるほど、この映画だったのか。女優としての将来的な可能性はどんなもん?AKB48の歌一つ知らないくせに、ミーハーな関心もちょっぴりプラスしてぜひ観たいと相成った次第。で、三連休中の今日、都内の紅葉見物ついでにのこのこでかけてみた。

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 街場の古いビルの2階のレトロな映画館といった風情で、「苦役列車」の上映にはぴしゃりイメージ通りでうれしくなる。【あらすじ: 1980年代後半。19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。】

 世間がバブルに浮かれていた時代、自己の欲望に直情径行なあまり不器用な生き方しかできない青年のすがたと自分のその頃とをついくらべてしまう。要領よく、如才なくたちまわるすべを知っていたおかげで映画の主人公のような生き方を選ぶことはなかったが、そしてもちろんそのことに満足しているのだが貫多のような人生を選択せざるを得なかった友人も知らないわけではない。その意味からいえば映画を観ていて(小説にない部分の足しもあったが、ほぼ原作のイメージ通りだと思う)主人公の心情に自己投影することはなかったが楽しめたし、前田敦子もどこにでもいそうな若い女性を自然体で演じていたのが印象的だった。

 2本立てだったので、15分の休憩時間にそとにでて立ち食い蕎麦で昼をすまし、もう1本の「愛と誠」をつづけて観た。えーッ、ななんじゃこれッという演出でチョイびっくりしたが面白かった。館内は20人ほどの観客がいたのだが、ときどきこらえきれずにプッ、と吹き出し笑いをする人などあって充分楽しめる。劇画風な、ミュージカル風な、シリアス風な、ドラマでお遊びココロ満点。主役の妻夫木聡は適役だが、早乙女愛を演じた武井咲はミスキャストっていうか演技力が稚拙で、観ているこちらがハラハラしてしまう。

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 ともあれ、久しぶりの映画鑑賞にちょっぴり満足して3時過ぎに三軒茶屋をあとにした。本郷三丁目で地下鉄を下車し、ちかくの名曲喫茶、「麦」でコーヒーを一服。たまにはクラシックもいいね、と思ったがこの店のスタンスは聴かせるというより、聴こえてくるという程度の抑えたボリュームで不思議と落ち着ける。時間があれば終日読書に耽っていたい喫茶店だ。

 さて、紅葉をライトアップしているという六義園にむかう。陽も落ちた5時過ぎに正門前に到着したがなんと、物凄い人出で行列ができている。ここ江戸の名園を今に残す和歌の庭として有名だが、この時期のライトアップした紅葉を見ようと多くの人が詰めかけている。もちろん、私も列にならび入園するが混雑のピークだったようで、池をめぐる園路はカメラを構える人々で遅々として進まない。「えーっ、紅葉見に来たのにこれってどうなのよ」、「来年は京都に行きたいね」、「ねえ、どうして動かないの」などという声が聞こえてくる。

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 もらったパンフレットには、【六義園は五代将軍・徳川綱吉の信任が厚かった川越藩主・柳沢吉保が元禄15(1702)年に築園した和歌の趣味を基調とする「回遊式築山泉水」の大名庭園です。当園は池をめぐる園路をあるきながら移り変わる景色を楽しめる繊細で柔和な日本庭園です。江戸時代の大名庭園のなかでも代表的なもので、明治時代に入って、三菱の創業者である岩崎弥太郎の別邸となりました。その後、昭和13(1938)年に岩崎家より東京市(都)に寄付され、昭和28(1953)年に国の特別名勝に指定された貴重な文化財です。】とあった。

 池の周囲もかなりの人だかりがしていたが、景色を眺めるゆとりもでて秋という季節感にじっくりと浸ってから園の外にでた。とはいえ、誰かが言っていたように京都の風情や規模と比べてしまえば歴史的にもあちらに軍配は挙がるだろう。紅葉織りなす錦秋の京都も、花弁で疏水の流れがピンク色に染まる満開の桜も過去にはたっぷりと堪能してきたがそれはそれ、こうして都内で感じる秋もそれなりの風情があって楽しめる。

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 東京駅の外にでてライトアップした丸の内やらリニューアルした駅の外観をデジでパチリ。連休とあってカメラを構えた人がかなり目立つ。新丸ビル内を久しぶりにコンランショップ、プランツプランツ、BEAMS、地下なら明治屋、アメリカンファーマシーなど定点チェック。どこもすっかりクリスマスバージョンだ。お腹が減ってきた。猛烈に東京ビルディング内B1の、「インデアンカレー」のカレーが食べたい。

 甘いのにピリ辛いここのカレーに再度、満足する。カレーについてくる小皿には甘酢のキャベツが付け合わせについてくるが、一緒に食べるとベストマッチだ。カウンターのサラリーマンの注文を聞いていると、皆さんがご飯を大盛りにして、しかも生玉子をトッピングしている。なるほど、美味しそうだ。こんどマネして私も同じものにしてみよう。 

私の渡航歴

 過去の渡航歴を6冊のパスポートを参考に記録します。34年間で合計83回。

1冊目(1975年発行)
1975/02/21   02/23   グアム/野外学校ロケハン
1975/05/12   05/16   グアム/野外学校開校準備
1975/07/22   08/24   グアム/第1回野外学校(タモン湾ホテル~イナラハン村キャンプ場)
1976/05/27   05/31   サイパン/野外学校ロケハン
1976/06/15   06/17   グアム/野外学校開校準備
1976/07/15   08/24   グアム/第2回野外学校(タモン湾ホテル~イナラハン村キャンプ場)
1979/08/11   08/16   ハワイ/結婚式(PK泊)

2冊目(1981年発行)
1981/09/10   09/19   ニューヨーク~カナダ(ナイヤガラフォールズ)~ロスアンジェルス~サンフランシスコ米国流通業視察旅行M社(TD君と他数十名)
1981/10/08   10/12   グアムF
1982/08/06   08/11   東南アジア3カ国周遊(シンガポール~バンコク~香港)F
1984/01/28   02/02   ハワイ(M社旅行/シェラントンホテル・タワー泊)
1984/05/01   05/06   ハワイ(M社3組夫婦でプライベート旅行PK泊)
1984/08/08   08/18   ヨーロッパ(ギリシャ・アテネ/パンテノン神殿~エーゲ海クルーズ~ローマ/バチカン~パリ/ロワール流域城めぐり~ルーブル美術館)M社旅行
1986/03/05   03/09   グアム/M社旅行(表彰式/ゴルフ/ヒルトン泊)
1986/08/02   08/06   フィリピンM社旅行(セブ島アルガオビーチ~マニラ)

3冊目(1987年発行)
1987/08/15   08/18   香港 ひとり旅
1988/08/16   08/20   サイパン家族旅行(ダイビングCカード現地講習)
1989/03/10   03/13   香港HY
1989/08/12   08/20   香港家族旅行(香港九龍鉄道~広州/中国民航~香港)
1990/02/04   02/10   オーストラリア/ニュージーランド社員旅行(クライストチャーチ~羊牧場~羊毛工場~ゴルフ/シドニー~ボンダイビーチ~シェリルビーチでプライベートダイビング)
1990/04/28   05/06   米国西海岸ドライブ旅行(サンフランシスコ~ナパバレー~サンルイスオビスポ温泉~サンタモニカ~ビバリーヒルズ~ディズニーランド~ロスアンジェルス)MI
1990/08/09   08/13   ハワイ家族旅行(弟家族含め12名でワイキキ・ヒルトン泊~ハレクラニ朝食~ポリネシアン文化センター~マジックアイランドでプライベートダイビング)
1992/05/05   05/08   グアム(ゴルフ~ダイビング~ホテルニッコー泊)HM

4冊目(1992年発行)
1992/12/12   12/14   韓国ソウルHM
1996/08/12   08/17   バリ島家族旅行(コンチネンタル・ホテル泊~クタビーチ~ウブド)
1996/11/29   12/04   第1回社員旅行ハワイ(ゴルフ~カハラ沖ダイビング)
1997/02/20   02/25   オーストラリア(ブリスベン~ゴールドコースト~クーラム・ゴルフ)MI
1997/04/23   05/05   イギリス(息子の留学先5校面接&訪問のため鉄道&レンタカーで移動)

5冊目(1997年発行)
1997/08/07   08/12   バリ島(スミニヤック・ザ・レギャンホテル&ウブド・ピタマハ泊)HM
1997/10/09   10/15   ハワイ(マウイ島リッツカールトン・カパルアリゾート泊ゴルフ三昧)MI
1997/12/01   12/07   第2回社員旅行(アメリカ西海岸~サンフランシスコ・ユニオンスクエア~ニーマンマーカス~ラスベガス・シルクドゥソレイユ・ショー「O」~ロスアンジェルス)
1997/12/19   12/24   ハワイ家族旅行PK泊
1998/02/05   02/08   グアム(ゴルフ「マンギラオゴルフコース」~ヒルトン泊)MI
1998/05/17   05/21   タイ/バンコク ひとり旅
1998/09/11   09/29   ハワイ島(オーキッドホテル~ゴルフ三昧MI)~ニューヨークひとり旅(チェスターフィールド泊/ヒルナド・ホテル泊)
1998/12/02   12/07   第3回社員旅行(タイ/バンコク~ムエタイ)
1999/11/11   11/16   上野朝子NYツアー(ロングアイランド~アンティークショップ巡り)F
1999/12/06   12/11   第4回社員旅行(ハワイ/ゴルフ~ポリネシアン文化センター~ロイズ~ワイキキ夜間飛行~カハラ沖スキューバーダイビング~マジック・オブ・ポリネシア)
2000/02/18   02/21   ベトナム/ホーチミン ひとり旅
2000/04/28   05/02   香港/バンコク ひとり旅
2000/05/23   05/27   中国出張/上海/成都/楼中銀河工場(上海/鉄道~南都/車で陸路8時間~楼中銀河工場で段通絨毯発注&買い付け~成都)
2000/06/02   06/06   バリ島(フォーシーズンズ・リゾート・ジンバラン~ウブド)R
2000/08/13   08/15   韓国 ひとり旅(ソウル~ウオーカーヒルでカジノ三昧)
2000/08/16   08/20   バンコク ひとり旅(カオサン~サムイット島)
2000/09/14   09/17   バンコク出張(宝石買付&加工工場視察)
2000/11/27   12/02   第5回社員旅行(アメリカ西海岸/ラスベガス~カジノ三昧~グランドキャニオン~世界一のリブステーキレストラン・ローリーズ~ロスアンジェルス~ビバリーヒルズ)
2001/02/10   02/13   グアム(ウエスティンホテル~ココス島)S
2001/02/26   03/01   タイ/バンコク(ペニンシュラホテル)S
2001/03/16   03/21   バリ島(フォーシーズンリゾート・ジンバラン~バリサヤン・ウブド)S
2001/05/01   95/05   韓国ソウル ひとり旅
2001/07/19   07/22   韓国ソウル(ウオーカヒルカジノ/新羅ホテル泊)IK
2001/08/16   08/18   韓国ソウル社員旅行(幹部4名)
2001/11/27   12/02   第6回社員旅行(オーストラリア/シドニー~ケアンズ~グリーン島)
2001/12/29   01/05   フランス ひとり旅(パリ~ルーブル~モンサンミッシェル~ベルサイユ)
2002/06/29   07/01   ニューヨーク(マサスチュワート・オムニディ~レセプション~ビーコンシアター~イーストハンプトンのマーサスチュワート別荘~イーストハンプトン)
2002/08/10   08/18   ニューヨーク~ケープコッド~ボストン米東海岸ひとりドライブ旅
2002/11/27   11/30   第7回社員旅行(グアム~ココス島~アウトリガーホテル泊)
2002/12/30   01/05   サイパン(息子とダイビング旅行~テニアン島カジノ)
2003/02/08   02/11   バンコク ひとり旅
2003/07/27   08/17   イギリス(息子とアンティークの買い付け)~スエーデン・ストックホルム~ノルウエー・オスロ~ソグネフィヨルド~ベルゲン~デンマーク・コペンハーゲン、北欧周遊
2003/10/16   10/24   イギリス(息子とアンティークの買い付け) 
2003/11/25   11/29   第8回社員旅行(タイ/バンコク~プーケット~サイモンオカマショー)
2004/01/20   01/26   フランス(メゾン・エ・オブジェ展~パリ~マルセイユ~エックスプロバンス~ギフトショー)雑貨ビジネス旅行社
2004/01/30   02/06   イタリア(マチェフ展~ミラノ~フィレンツェ)雑貨ビジネス旅行社
2004/04/24   04/27   中国(広州交易会)雑貨ビジネス旅行社
2004/07/15   07/08   中国杭州(イーウー)雑貨ビジネス旅行社
2004/08/06   08/22   イギリス&フランス(ロンドン/マーブルアーチのハーツ~アーサースワローショー~ニューアークアンティークショー~リーズ~ハロゲイト~パリを息子と)
2004/11/10   11/13   第9回社員旅行(韓国/ソウル)
2004/12/28   12/31   グアム(ココス島ドライブ)N
2005/02/10   02/13   フィリピン・セブ島(プランティーションベイ・リゾート泊)N
2005/03/16   03/20   カンボジア(アンコールワット遺跡旅行)ツアー参加
2005/04/28   05/01   ベトナム(ホーチミン)N
2005/07/25   08/21   ヨーロッパ ひとり旅(イギリス・ロンドン~スペイン・マドリッド~プラド美術館~ベルギー・ブリュッセル~オランダ・アムステルダム~ゴッホ美術館~フランス・パリ)
2005/09/22   09/27   マレーシア(ペナン島~E&Oホテル~クアラランプール)N
2005/11/30   12/03  第10回社員旅行(フィリピン/セブ島)
2006/06/24   06/28  ハワイ(PK泊)DH
2006/07/07   07/26   ヨーロッパ出張含む ひとり旅(オーストリア・ウイーン~チェコ・プラハ~ハンガリー・ブタペスト~ポーランド・クラコフ)
2006/11/08   11/13   ニューヨーク(カーネギーホール~バードランド~メトロポリタン)N
2007/01/17   01/23   中国出張(北京~万里の長城~天津工場~故宮博物館)

6冊目(2007年発行)
2007/04/27   05/02   バリ島(クタ・プライベートプール付きコテージ&ウブド・コマネカ泊)YM
2007/06/19   06/23   バリ島 ひとり旅(クタ泊~ウブドの祭り)
2008/03/28   03/28   韓国(ソウルハイヤット泊)A&M
2009/10/13   10/16   台湾 ひとり旅(台北~故宮博物館)

クリスマス?

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 クリスマス?っなわけはないのだが、そろそろ毎年のクリスマスツリーの飾り付けをしようと思い、日曜日の今日はいつものツリーを納戸から引っ張り出してみた。ダイニングテーブルにセットしてから食材の購入のためショッピングセンターにでかけた。本屋にたちより雑誌を3冊買ってから食品を買う。ボジョレーヌーボーが15日に解禁になっていたので店頭にずらりと並んでいる。さて、今年の出来はいかがなものか、そう思ってふらりと一本を手に取ってみた。

 この季節になると例年、ボジョレーヌーボーが話題になる。すると私はHTさんと根室駅の近くの露店で売られている真っ赤にゆで上がった花咲蟹と、コンビニで買ったボジョレーワイン(ヌーボーにはチョイ早かった)を抱えて宿泊していたホテルに急いだことを思いだす。部屋にもどり買ってきた蟹とワインを彼女とともにさっそくむしゃぶりつき、飲みまくった。ちょうどその前に寒風吹きすさぶ襟裳岬に立ち寄ってそのあまりの寂寥感に心の底までどっぷりと占領されていたので、ひと際ほっこりとなごみたかっただろう。このときの花咲蟹とボジョレーワインの味を忘れることはないと思う。

 その後しばらく解禁のこの時期、蟹とボジョレーヌーボーを買ってストーブだったりコタツだったり変化はあったが毎年誰かしらとたのしんでいた。ここ数年はそういうたのしみもまったくない。で、ためしに今年は買ってみた。銘柄はドメーヌ・カナール、2180円。「ボージョレー北部丘陵地の銘醸エリア、風通しの良い高地、ヴォージナル村、できる限り農薬や化学肥料を使用しない減農薬農法。鮮やかで美しい色調、カシスなどの赤い果実、細やかな酸とミネラルが清明に表現されたエレガントな味わいをお楽しみください。」とラベルにある。

 豊作の年なら1000円以下のボジョレーヌーボーでぜんぜん問題ないのに、どうやら今年の天候不良のせいで収穫高も半減だそうで、価格も比較的高めだ。家にもどり一緒に買った出来合いのピザ(10インチサイズで558円)と唐揚げをテーブルに用意した。さっそく抜栓してひとくち口に含んでみる。うーん、新種特有のフルーティさがいまいちで爽やかな軽やかさが不足、そのせいかかなりの辛口に感じる。そうか、今年は外れなんだ、と思った。とはいえ、不味いわけではけっしてない。ボトルを冷蔵庫に仕舞い、数日かけて楽しむつもりだ。

 不味かったのは出来合いのピザのほうだ。値段が安いのだから仕方がない、といってしまえばそれまでだが、パックの裏のラベルを見て驚いた。添加物が表示してあるのだが、ハンパない仰々しさにびっくり。二度と買わないからいいのだが一応書き出してみる。【膨張剤、香料、セルローズ、甘味料(ソルビトール)、調味料(アミノ酸等)、酸味料、着色料(パプリカ色素、カロテン、クチナシ、カルミン酸、赤色102)、増貼剤(加工澱粉、増貼多糖類)、塩化Ca、乳化剤、香辛料抽出物、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、V.C、エリソルビン酸Na)、加工澱粉、リン酸塩(Na)、くん液、発色剤(亜硝酸Na)、酢酸Na、V.C、酵素、(原材料の一部に小麦、卵、乳、大豆、ゼラチン、鶏肉、りんご、豚肉、牛肉、魚介類を含む)】とあったが、食べる前にこれ読んでしまったら食欲なくすにちがいない。おもわず製造業者もたいへんだなー、と同情してしまう。

 さてもう一品は現在ちょっぴりブーム感のある鶏の唐揚げだ。今日観たテレビでは岡山県津山市の鶏唐揚げを取り上げていて、例のB級グルメで一位になったとかで話題らしい。目の前にあるのはテナントに入っている、「とり茂」という店だったが行列ができている。ショーケースをのぞくと塩味、醤油味、ガーリック味の3種類がある。試しにガーリック味を3個買ってみた(210円)。ピザと一緒にオーブンレンジで温めて食べたが、柔らかくてほのかなガーリックの匂いもして美味しい。小腹が減った時に便利かもしれないが、たくさん欲しいときは私は自分でつくるほうを選択する。自分で作れるものをわざわざ買うことない、と思うからだ。でしょ。

寄せ植え作品?

 昼過ぎにFHが来訪。久しぶりだったので近状を交えてあれやこれやの四方山話。途中、お腹が減ったといいだし、キッチンで彼女は鶏卵4個を使って2人分の玉子焼きを作ってくれた。FHは持参の自分用のおにぎりをとりだし、遅めの昼に。以前も玉子焼きを我がキッチンでつくって、もちろん私も相伴したが見かけによらず美味しい玉子焼きを作る。そのことをベタ褒めしたので気をよくして再度の料理と相成った次第。どうやら彼女にしてみると私は気の置けないお喋り相手のようで、付き合っている彼氏との問題やら、家庭内のことや職場でのことなど盛りだくさんの内容をひと通り喋りつくして5時に帰っていった。当方に色恋の感情はないのだが、読まれた方はどう思うのだろうか(笑)。

 テレビでは衆議院の解散報道に続き、野田首相の記者会見を聞いた。そのかぎりではなかなか明晰な話の内容に見かけの風貌とは一味違う迫力を感じたりした。自民党の安倍総裁の記者会見も聞いたが明瞭さでは野田首相のほうが勝っていたかもしれない。もっともブログでは政治にたいしてニュートラルでいたいのでこれ以上は書かない。

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 ベランダにでて昨日植え替えた多肉植物と寄せ植えをデジに収めた。居間にもどりテレビを観ていたら、天井のシャンデリアが大きく揺れた。地震情報によると千葉は震度3とのことだったが、慣れっこになっているとはいえチョッピリ不気味なことに感じる。さて、明日の土曜日は雨の一日になりそうだ。終日、ジャズ聴きながら本でも読んで過ごそうと思う。


 

ご近所付き合い

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 なにもなかったベランダに鉢植えを3つほど置いたことは書いた。3鉢買えば植物だが、一つだとモノにしかならないというのでもう少しにぎやかにしたい、そんな気分でホームセンターの園芸コーナーにでかけた。鼠の額ほどのベランダだ、小さくてあまり手のかからないものが欲しい。で、最近またブームになりつつある多肉植物のポットを少しと寄せ植え用に姫小菊(290円)のマゼンタピンク色があまりにきれいだったので2個と、白い丸い玉のような花をつけたシンジュノキ(498円)なるポットをひとつ買った。

 家にもどる途中、Mからメールがきた。あとで子どもが泊りに来るので食料品を買いたいのだけれど、Tさん一緒に行かない?という誘い。Mは毎週木曜日に別れた夫の実家のある佐倉から子どもを連れ帰って2泊させている。あと2ヶ月で3歳になる男の子は、その間を夫の母親が面倒を見ているので電車に乗って一緒に連れてくるのだ。土曜日になるとこんどは別れた夫が車で子どもを迎えに来て、また来週までバイバイということになる次第。なんとも大人の都合で子どもは行ったり来たりを毎週繰り返している。

 つまりは子どもと水入らずの夕食の材料を買いに行きたいということなのだ。ホームセンターからの帰り道、Mをピックアップして近くのスーパーで買い物。Mの部屋にあとで友達も合流する様子で献立はカレー鍋にするという。Tさん、一緒につくらない?というが、私ははやくベランダの鉢植えを作りたいのでパスする。じゃ、鶏の唐揚げを作って欲しいんだけど、というリクエスト。どうやら私のつくる鶏唐は好評なようで、たまにMやAにも振る舞うこともある。ていうか、彼女たちはそもそも揚げものが単に苦手なだけなのかもしれない。かわりにカレー鍋が出来上がったらTさんの分も作るので交換しようという。で、唐揚げができたら届けることで了解する。

 家にもどり買ってきたポットから鉢への植え替え作業にしばし没頭。出来上がりは明日のブログに画像をアップします。ソファに横になり、ひかりテレビで女子プロ麻雀なでしこ杯の決勝戦を観ていたらそのまま転寝に突入。起きたときには決勝戦は終わっていたが、小島武夫が清水香織プロに優勝杯を手渡しているところだった。FHから明日の昼過ぎに行きたいのだけど予定は?とメールがある。午前中はチョイ仕事があるが午後ならOKと返信する。

 鶏肉を醤油、日本酒、にんにく、生姜、塩コショウでつくったタレに漬けておいたので、小麦粉と片栗粉にまぶして油で揚げる。引きあげた唐揚げをもう一度揚げるという二度揚げにしてカラリと仕上げる。7時過ぎに歩いて3分とかからないMのアパートに届ける。パックに入れたカレー鍋ひとり分を受け取り、家にもどる。冷蔵庫に入れて保存、明日食べるつもりだ。

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亀山湖でカヤック?

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 午前中、君津の商用ついでに亀山湖でカヤックを楽しみたいと思い愛艇のフォルディングカヤックを車に積み込んでワクワク気分で出かけた。家から約1時間半の秋の房総ドライブを楽しみながら仕事を終え、亀山湖についたのが12時を過ぎていた。首都圏でも一番遅い紅葉が房総のこのあたりだが、やはりベストシーズンにはまだちょっと早すぎたようで湖を囲む山々の色づきはいまいち。

 久しぶりの湖面にはバス釣りのボートがちらほら出現しているが、カヤックは見当たらない。枯れ葉が地面を転がるほど風が強く吹いている。亀山温泉ホテルの横道を通って押込橋の近くの公園に車をとめた。湖岸をチョイ観察するが、格好のエントリーポイントがある。が、あれほど勢い込んでいた自分の気持ちが中途半端になってきていて、車から降ろしたアルフェックのバックをながめながらセッティングするかどうかチョイ思案する気分に。

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 たぶん億劫になったのだろうとおもう。セットに20分ほどかかるし、収納にしても20分程度の時間がかかる。せめて2日間ほど楽しめるのなら、などと考えていたら自分の優柔不断さやノリの悪さにあきれて、今回はパスすることに決定。私は自分で感じている以上に年をとったらしい(トホホ)。この調子だと、どうやら今年は釣りもキャンプもカヤックもなにもせず終わってしまいそうだ。気持ちが先行しても身体がついていかない、という現実を少しずつ思い知らされている苦い気分だ。

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 一度降ろしたバッグを車に積み込み、帰路に向かう。久留里駅近くの手打蕎麦屋、「安万支」で遅い昼。久留里の名水で打った美味しい新蕎麦で、噛むほどに蕎麦の香りと甘みを感じる。千葉にもどり、緑区の図書館で2時間ほど新聞や雑誌を読んで過ごした。

いのちの祝祭

 東京にはいくつか好きな街があって、なかでも神保町は私のなかではベストスリーにはいると思う。毎年この時期に開催される古書まつりにはここ数年連続して訪れている。秋晴れの一日、靖国通りの歩道にずらりとならぶ露店。そこに山とつまれた数々の古書を渉猟するのは私の気分をわくわくと高揚させてくれる。そこにはいままで知らなかった本の数々、忘れていた懐かしい本、欲しかったけど買えなかった本、思いもかけないテーマについて書かれた本などあらゆるジャンルの本が陽光のなかに曝されひろげられている・・・。

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 というわけで、木曜日の午前中に地下鉄神保町の駅に降り立った私はさっそく古書の森のなかに彷徨いこんでいく。過去、蔵書の大半を処分した私はまたぞろ衝動買いにはしらないように心を制御しながら注意深く森のなかに歩みをすすめる。背表紙の文字を次から次へと目で追い、気になれば手にとりページをひらく。周りの騒音や人の目などが一切気にならなくなってくる。ページの文字が私に語りかけてくる。気の向くまま返事を返しながら、別の本を手にとる。そしてページを開く、をくりかえす。

 一時間ほどそうして幸福な時間を過ごしていると、だんだん本酔いとでも形容すればいいのか、かるい眩暈を感じる。時計を見ると昼になっていた。我にもどると急に空腹を感じて、すずらん通りのキッチン南海へむかう。15人ほどが行列をしているが、回転が速いせいか待つ間もなく入店できる。見ればほとんどの人がこの店の名物カツカレーをおいしそうに食べている。私も同じものにしたがコクあるチョイ辛のカレーに満足した(700円)。また食べたい。

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 食後のコーヒーが飲みたい。で、一丁目の珈琲舎、「蔵」のカウンターで丁重にドリップされたコーヒーをいただく。カツカレーと同じ700円だが同価値のクオリティを感じる。壁面を飾る舟木誠一郎の写実絵画「沈黙」に描かれた少女が、店内に漂う馥郁としたコーヒーの香りとともに歩き疲れと満腹感の私を眠気に誘う。うつらうつらとまるで桃源郷に迷い込む気分だ。

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 さて、ゆったりとしたときを過ごし、再び本の森の逍遥にでかける。結局、買った本は次の通りだ。

中村真一郎著の3冊、「時間の迷路」、「恋の泉」、「仮面と欲望」(3冊で500円)
T・ハリス「羊たちの沈黙」(50円)
本多勝一「北海道探検記」(50円)
沢木耕太郎編「右か、左か」(400円)の計6冊。

 街は夕暮れてきて小腹がすいた。おいしいうどんが食べたい。多くのうどん専門家がすすめる小川町の讃岐うどんの店、「丸香」へいく。【讃岐の田舎のうどん屋そのもの。ここのダシをすするたび、讃岐に行きたいなーと思ってしまう。お客の回転がいいので、常に茹でたてを食べられるのも魅力】と雑誌に書いてある。店内満席であふれた客が列をなしている。運ばれてきたかけうどん(380円)のダシを一口すすると、鰹節の香りがぷーんと匂いたち腹がグゥ、と鳴った。ネギの上に天かす、すりゴマをたっぷりとかければ充分な一食だ。満腹になった。

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 ジャズを聴きにいく。「BIG BOY」のスピーカーから放たれる音に聴き惚れる。かかっていたのは日本人サックス奏者、稲垣次郎のレコード。初めて聴いたがJAPAN JAZZいいね。いままで日本人ジャズはなんとなく敬遠してきたのだが、喰わず嫌いだったかもしれない。

 さて、神保町の駅前に来てこのまま帰ろうかどうしようかチョイ迷うところ。時計は7時ちょい前だ。ふと見上げると、岩波ホールで上映中の映画、「菖蒲」のポスターが目に入る。上映スケジュールを見るとちょうど最終回が6時50分だ。【春の終わり、夏の訪れ、いのちの祝祭の時に・・・。美しい田園、移ろう季節―ポーランド文学の名作を巨匠アンジャイ・ワイダ監督が映画芸術に見事に昇華。】という惹句にもひかれて入館決定(笑)。

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 「菖蒲を集めるの。明日は精霊降臨祭だから」、「春が終わって夏到来の祭りよ。命が目覚める」、「忘れているようだね。生はとても簡単に死に転じる」。パンフにこうある。【「菖蒲」は撮影半ばに、主演のクリスティアナ・ヤンダの夫であり、ワイダ監督の盟友でもあった撮影監督エドヴァルト・クウォンシンスキの病死によって大きく改編された。このことにより完成した作品は大きく三つの世界に分けられ、それらが織りなすように構成されている。その三つの世界とはイヴァンシュキェヴィッチ原作の本来の物語、夫が亡くなる最期の日までを語るヤンダ自身によるモノローグ、そして本作におけるワイダ監督の演出風景である。】、【美しい田園を舞台に、あまりにも遅く訪れる恋と、いつもあまりにも早く訪れる死・・・この映画では、春から夏へと移ろう美しい季節のなかで、生のみずみずしさ、若さの輝きとともに、老いや病、そして不慮の事故による死が浮き彫りにされる。そして本作が描写する生のはかなさや死への不安の背景には、いつも大河が悠々と流れている。その姿は、無常な時の流れのように心に残り、ここは今年86歳を迎えたワイダ監督自身の思いが込められているようだ。】

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