2010年10月

鎌倉・江の島

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 藤沢から江ノ島電鉄に乗って曇天の江ノ島駅に降りる。午前中にもかかわらず日曜日とあって観光客が多い。境川にかかる橋を渡って小田急電鉄の江ノ島駅に立ち寄る。あまりの久しぶりさにチョイ胸締め付けられる思いがする。私にとっての海とはこの湘南、とりわけ江の島のことなのだ。もの心ついたころから夏になれば親に連れてこられた。父親とすぐ下の弟と砂浜に並んで座り、両足並べて水際にかかとでくぼみを作る。波がきてくぼみに海水がたまる。父親が指さす水溜りの中には小魚が数匹泳いでいる。まだ海がきれいだったころの話だ。

 高校生の頃、二年間にかけて夏をこの浜でアルバイトをして過ごした。大手電鉄会社の直営の海の家だったが、私にとっては初めてのアルバイト経験だった。ものすごくたくさんの思い出をこのアルバイトで作り、友達もたくさんできた。バイトが終わると、時々その日に知り合った女の子と夕暮れの江の島に渡ってデートした。なので、江の島の石段にはその頃の思い出がいっぱい詰まっている。

 大学生になり父親のバーでアルバイトをしてた頃、友人のT君が時々店に遊びにきていた。ひょんなことから店がはねてから仲のいいホステス2人とT君との4人でT君の車で江ノ島までドライブを楽しんだ。砂浜に打ち寄せる夜の波はキラキラと夜光虫が光っていて、見上げる空には星が瞬いて、夏の喧騒とは一味も二味も違った姿を見せていて、もちろんロマンチックだった。まだ私も海も汚れていないころの話だ(笑)。

 そうだね、久しぶりに江の島に渡ってみよう。そう思い、大橋を渡る。昔は木製で所々破れていて、そこから打ち寄せる波のしぶきが見えたりして子ども心にチョイ怖かった。そんな江の島大橋も今や車がガンガン行き交う立派なコンクリート製に変わり、便利さと引き換えに風情という名の私のノスタルジックは消失している。

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 江の島神社に続く登り坂の参道の両側には、サザエの壷焼きや、しらす丼などが食べられる食堂とともに土産物屋も数軒並んでいる。そこで買ってもらった貝の標本がうれしかった。世界中から集められた小さな貝のいくつかを眺めながら、私はまだ知らない未知の世界を旅をしていたのかもしれない。坂道がきついので当時はなかったエスカレーターを利用する。あっという間に本殿の辺津宮に着く。酒井抱一が描いたといわれる奥津宮拝殿の、「八方睨みの亀」など見物しながら進み、急な石段を下りて突き当たりの岩場、稚児ヶ淵に出る。

 思いのほか釣り人も多く、眺めているとスズキ、タコなどが見る間に釣れていて楽しそうだ。弘法大師は修行に、源頼朝は戦勝祈願に訪れたという岩場の奥の岩屋洞窟に入ってみる。小学生以来だ。当時は暗い洞窟の奥に据えられていた弁天様も、今では奉安殿に安置されていて観ることはできなかったし、妙にライトアップされ、整備されていた洞窟内は私の記憶とは少々ずれていたが、そこかしこの懐かしさに顔はほころんでしまう。

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 さて帰路は稚児ヶ淵から500円の遊覧船に乗り、大橋のスタート地点へ一気に運んでもらう。昼は人気の食堂、「江の島小屋」(片瀬海岸2-20-12)で釜揚げシラス丼を注文。一気に完食し、食後は腹ごなしにしばし浜辺の波打ち際をサーフィン眺めながらぶらぶら散歩。追憶モード全開をひとり愉しむ。

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 再び江ノ電に乗り、鎌倉へ向かう。相変わらず観光客でにぎわう小町通りを抜け、まずは鶴岡八幡宮へお参り。鎌倉へ来るといつも立ち寄る自家焙煎の美味しいコーヒー店、「玄」(鎌倉雪の下1-9-24)のカウンターでドリップの様子など眺めながら、淹れてくれたコーヒーをゆっくり味わう。

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 で、2泊3日の私の思いつき小旅行のラストは逗子にある知る人ぞ知る有名カフェ、「coya」(逗子市桜山8-3-22)で締めくくる。ここ、フードコーディネーターの根本きこさん夫婦が経営している雑貨屋兼カフェで、外観も内装も古家を生かした素敵な作りで一見の価値あり。辺鄙なところにもかかわらず、「coya」詣での客で引きも切らない。

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ダイニングチェアー探し

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 昨夜、いつもの新宿のホテルにチェックイン。今朝はまず渋谷へ。代々木公園のイベント広場でアースガーデン主催のエコをテーマにした、「代々木クラフトフェア」なる催しが開催中だった。興味はなかったが秋の陽射しを浴びて午前中の公園歩きを愉しみたかったので、ぶらぶらと時間を過ごす。一周して、そのまま宮下公園まで下りていき、渋谷の隠れ家カフェともいうべき、「羽當」(渋谷1‐15‐19)で朝のコーヒー。ビルの地下にあるのだが思ったより中は広くてくつろげる。日テレのドラマ(働きマン)にも登場したことがあるそうだが、アンティークの家具がいい味を出している。

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 私のダイニングチェア探しを思い立つ。前々から思っていたのだが、秋空のこういう日にこそ家具探しはふさわしい。中目黒周辺からスタートする。「ハイク」、「R-LABO」、「BALS」など目黒川沿いの山手通りを大鳥神社目指してぶらぶら。途中、昼をさっぱりとした、「驀仙坊 ばくざんぼう」のねぎ胡麻蕎麦(上の写真)ですませ、目黒川舟入場跡の資料館などをチョイ見。ここ、目黒川の生き物たちや沿革なども係りの人が丁寧に説明をしてくれて、清流計画の一端がよく理解できる。

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 目黒通りの、「KARF」「ACME」「ルイス」「chambre de nimes」、碑文谷の、「ロイズ」などをチェック。結局、我がダイニングチェアーはロイズで購入することにきまり。座面を黒のレザーでリフォームしたスエーデン製のビンテージ物だが、4脚購入する。さて、夕暮れも迫ってきた。明日は湘南散歩でのんびりしよう、と思い藤沢へ向かう。JRを使うと40分とかからない近さで車内で本読む間もない。JR藤沢駅構内で夕食用の駅弁、「鰺の押し寿司」買って東横インにチェックインする。


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ガレット・ノアール

 母親と弟たちとの食事会のため、町田に行く。外房線、京葉線、中央線、小田急線と4つの路線を乗り継いで11時30分に会場であるレストランへ着く。母親を囲んで弟たちはすでに食事を始めていた。到着が少し遅れた私も加わり、なごやかな時を過ごす。刺身の盛り合わせ、天ぷら、デザートと健啖ぶりを示す母親を見て、元気そうでなによりと私は思った。

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 母親を施設に送り、駅前の喫茶店で弟たちとしばし歓談をすませての帰路、私はひとり小田急線の成城学園で下車をして駅近くの、「ペスカカフェ」(世田谷区成城6‐15‐21)でそば粉のクレープ、「ガレット」をオーダーする。トマト味、クリーム味、サラダ仕立てと3種のガレットの中から、トマト味をチョイスして、ホタテ、アスパラガス、ナスをトッピングしたものを食べた(上の写真)。

 じつは途中下車してまでガレットを食べたのにはわけがある。先日、何気なく観たNHKのBSハイビジョンの番組で、「愛と胃袋・直木賞作家が食べて書くヨーロッパの田舎」と題して4人の女性作家がそれぞれの訪れた旅先で受けたインスピレーションをヒントに短編を書き競うというチョイ変わった企画があった。しかもこの短編を現地の俳優を使ってドラマに仕立てていた。その中の一編にこのガレットが登場したのだ。そう、それでせっかく世田谷を通過するので素通りではなくて美味しいと評判のこの店に寄ってみたというわけなのだ。

 ドラマの放映スケジュールは以下の通り。
第一夜 「イタリア」 井上荒野のビエンテ 10月5日(火)午後8時~
第二夜 「フランス」 森 絵都のブルターニュ 10月12日(火)午後8時~
第三夜 「スペイン」 角田光代のバスク 10月19日(火)午後8時~
第四夜 「ポルトガル」 江国香織のアレンテージョ 10月26日午後8時~

 私は第三夜まで観ているが、第四夜は26日なのでまだ未放映。なので楽しみにしている。ところでドラマの原作となった本が発売されていて、「チーズと塩と豆と」(集英社刊)を今回持ってきている。お気に入りは第一話の、「イタリア」で、画面に登場する実在の教師と教え子の歳の離れたカップルの姿が美しくて思わず嫉妬を感じてしまう。

 ガレットが登場するのは森絵都の、「フランス」だが観ていて思わず食べたくなってしまう。そう思わせた作家の勝利だが、「ペスカカフェ」のガレットも期待に違わずとても満足した。ちなみにこの成城学園の駅に降りたのは40年ぶり。様変わりは当然だが、小奇麗な駅前には高級スーパーマーケット、「成城石井」や「ディーン&デルカ」など上質な生活感が漂い、住んでみたら楽しい街だと感じさせてくれる。

 さて、食後のコーヒーをどこで飲もう?やはり専門店の香りと味を追求してしまう。で、2駅離れた千歳船橋駅前の、「珈琲工房HORIGUCHI」(世田谷区船橋1‐9‐24)へ行く。かの名優、故森繁久弥氏も通ったという喫茶店だ。前の通りは通称森繁通りと呼ばれている。この店、さすがネルドリップにこだわるだけあって香り立つ飲みやすさを感じる。ミディアムタイプのブレンドを注文したのだが、美味しさのあまり邪道と知りつつ思わずゴクゴクといった感じで喉に流し込んでしまった。

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 新宿に出る。南口改札を出て角筈方面に向かう。ああ、この近くの雀荘で毎週末、雀卓を朝まで囲んでいたことなど思い出す。今から40年近くも前の話だ。このあたり久しぶりなのでお気に入りスポットをチョロチョロとチェックしながら歩く。「ビームス」6階の北欧中古家具をチョイ見。「ディスクユニオン・ジャズ館」でCDを物色。レベッカ・マーチンの「時さえ忘れて」がいい。3丁目界隈は最近増えたオープンカフェならぬオープン居酒屋が道路にはみ出て立ち飲み状態。若い女性客も多く、盛り上がっている。

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 丸井アネックス地下のカフェ、「ブルックリンパーラー」でブルーチーズハンバーガーを夕食にチョイス。この店、NYのブルックリンブリッジの橋梁下に潜り込んだイメージを感じさせる。年代を乗せたレンガの壁と書架には、個性的な本の数々がずらりと収められている。ジャズクラブの、「ブルーノート」の経営らしいがさもありなんというセンスを感じさせる。

益子

 昨日、茨城県の神栖市で2件の顧客宅での仕事が終わり、外に出て時計を見ると午後5時を回っていた。今から千葉に戻っても明日は日曜日でとくに予定はない。さわやかな秋らしい気候と、一仕事終えた解放感からかどこかへこのまま行きたい気分。そうだ益子へ行こう、と思い立つ。久しぶりに焼きものでも眺めて眼と心を愉しませたい。そう思った。

 ハイエースを走らせること3時間。夜の8時過ぎに真岡市のルートインホテルにチェックインした。で、今朝ホテルをチェックアウトすると益子に向けて車を走らせる。途中、五行川を渡る橋の手前にある大前恵比寿神社に寄り道。参道のわきを流れる五行川で数人の市民が釣り糸を垂れている。「なにが釣れるんですか」と訊いてみると、「ハヤ」という答え。釣り人は水面に投げた自身のウキを凝視しながら、「でも簡単には釣れないんだ」とつぶやく。こんなときだよね、ゆるゆるした時の流れを感じるのは。

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 大きな鳥居を二つくぐって境内に入る。左手にカラフルな恵比寿様が立っている。手前に日本一の恵比寿様と看板があって、商売繁盛・金運招来と書いてある。だいこく様とえびす様が祀られているらしく、なんとなく目出度そうな気がしたので500円払ってお参りする。係りの人にペットボトルを渡され、ご神水が湧いているのでこれに詰めてくださいと言われる。飲んでもいいし、良くなりたい個所にかけてもいいし、車にかけてもいいですよと言う。本殿での参拝を済ませると駐車場に戻る。さっそく自分のハイエースにかけた。神社に足し算、引き算があるとすればこの神社は明らかに前者だろう。恵比寿神社の名の通り、商売の上手さを感じる。

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 益子に着く。まずは陶芸メッセの、「益子陶芸美術館」に入館。セント・アイヴスにあるリーチ工房で学んだイギリス人陶芸家のジェイソン・ウェイン展を開催中だった。時間も早かったのか館内は閑散としていて、民芸の言う、「用の美」とは対照的な使うことを一義的としない作風の作品をじっくりと鑑賞できた。同じ敷地内の、「旧濱田庄司邸」、「登り窯」などを見ていたらもっと濱田庄司の作品に触れたくなった。で、濱田庄司の住居にして仕事場だった、「益子参考館」へ向かう。

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 人間国宝、「濱田庄司」が集めた世界各地からの陶磁器なども展示されていてうれしい。とくに私の好きなイギリスのスリップウェアの本物も沢山展示されていて思いがけなかった。益子には数回訪れているのだが、ここは初めて。入館者も少ないので、秋の柔らかな陽差しを受けて独りの気ままを堪能する。ちなみにここ、猫が多い。フロリダ・キーウエストのヘミングウェイ邸じゃないが思わず6本指の猫探しそうになる。

 外に出て近くのパン屋カフェ、「Pain de musyamusya and coffee」(益子町益子4135)でコーヒー。チョイ目には目立たない小さな小屋風の店だが、玄関からいきなりの6畳間で、中に入ると美味しいそうなコーヒーの香りが漂い、知人の家に招かれた気分でくつろげる。濃い目のドリップコーヒーを注文。若い女性客が独りで静かにお茶している姿もここだと絵になる。帰り際、イーストを使ったパンとレーズンからおこした自家製酵母の栗のパンを買って外に出る。

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 お腹が減った。2年前に買った本、「益子・スターネットの台所暦 里山のレシピ」(星恵美子著)を読んで知っていたレストランへ向かう。カフェ、ギャラリー、ショップ、オーガニックマーケットなどの複合の建物で、訊くとレストランは向かいに移りましたとのこと。須田ヶ池を上った小高い場所にある、「山の食堂」(益子3278‐1)で待望の昼。メニューは以下の通りの3コースで、私はAコースをチョイス。

Aコース:豆と雑穀と鶏ミンチのステーキ  ¥2,800
Bコース:平飼い赤鶏のとろとろオムレツ  ¥2,500
Cコース:無農薬大豆のとうふステーキ   ¥2,200

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 料理はどれも素材を生かした身体にやさしいものばかりで、とてもおいしい。供されるお茶も焙じ茶と野草のカキドオシをブレンドしたもので、軽い苦みを感じるがさっぱりとして飲みやすい。最初に供されたスープは泡のようになめらか。野菜もそれぞれの味わいが際立って満足。鶏のミンチは微かに生姜の香りがしてさっぱりとした食感。自家製のアイスクリームを味わい、満ち足りた気分で外に出る。須田ヶ池の桜が満開の時期にまた来たい。

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 街中に戻り、益子焼窯元共販センターの駐車場に車を止めて益子駅方向に向けて益子焼のショップが立ち並ぶメインストリートの城内坂を歩く。信号近くの「陶庫」で折り返す。午前中の美術館で見た濱田庄司やバーナード・リーチ、河井寛次郎などで目が肥えてしまったのか、立ち並ぶ観光客用の土産物屋の焼き物に心の琴線に触れてくるものはなかった。帰路、家に帰ってからの夜食用に、「つかもと」の釜めしを買う。4時半、益子を出て千葉に着いたのが8時。さっそく釜めしをレンジで温めて食べたが、本場の峠の釜めしよりこちらのほうがおいしいかも。

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上村松園

 地下鉄東西線の竹橋駅を出て、東京国立近代美術館へ向かう。今月の17日が最終日の、「上村松園展」の会場だ。曇天の平日にもかかわらずチケット売り場の前は30分待ちの行列ができている。私も列に加わる。「NHKの新日曜美術館を観てたら実物を観たくなってねえ」などの会話が行列のおばさんたちのなかから聞こえてくる。私もそうなのだが、そのために昨夜などTUTAYAで名取裕子のDVD、「序の舞」まで借りて観て、事前準備怠りなく挑んでいる。

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 私の場合、いままで日本絵画の美術展に来たことなど数えるほどだ。が、今回の上村松園は事前の勉強の成果もあるにせよ、じつにすばらしいと感じた。彼女は自身の随筆集、「青眉抄」の中でこう言っている。
 『私は大てい女性の絵ばかり描いている。しかし、女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。(中略)真・善・美の極致に達した本格的な美人画を描きたい。』
 
 西洋画の鑑賞や楽しみに、ギリシャ神話や聖書への素養があればより深い鑑賞の手助けになるのと同じように、日本画の楽しみにも古典や文化への素養が求められる。上村松園の絵にも古典や能、歌舞伎などからの画題が描かれていて、いまさらながらに私自身の日本文化への理解不足や勉強不足を思い知らされる。同時にそういったものに対する知識欲というものも絵を観ていて猛烈に掻き立てられる。描かれた人物の表情からその心の内までをもっと深く読み解きたい、そんな気持ちに捉われてしまった。

 私のお気に入りは、以下の通り。
 「蛍」1913年。さらりととした上品さが絵から伝わる。真夏に鑑賞しても涼しく感じるハズ。
 「娘深雪」1914年。朝顔日記を読んでから再度じっくりと鑑賞したい気持ちにさせる。
 「花がたみ」1915年。絵の持つ背景の物語をもっと知りたい。
 「待月」1926年。曲線と直線の対比がじつに美しい。
 「青眉」1934年。この時代に生きて青眉の美しさを感じたい。
 「序の舞」1936年。真・善・美の極致。
 「鼓の音」1938年。鼓を鳴らした音の残響がまだ聞こえている。
 「砧」1938年。戦場の夫へ届けとばかりに砧を打つ(くーっ、たまらない)。
 「晩秋」1943年。質素で健気な色気を仄かに感じる。

 西洋画を鑑賞して展覧会場から外に出て、ぷわーっ、と一息つく気分とは違って、清廉ですっきりとした後味気分を館外にでて感じたのは上村松園の力量だろう。根を詰めて鑑賞していたのでお腹が減った。渋谷の「オ・タン・ジャディス・クレープリー」で蕎麦粉のクレープ、ガレット・ノワールを食べようと決めて歩いていたのだが、千駄ヶ谷駅近くの「グッドモーニングカフェ」の外観にひかれてついふらふらっと入店してしまう。店内の写真を撮るのははばかれたので店の外観と注文したハンバーガーの写真をアップ。

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 オープンエアのスペースも含めると約100席の広めの店内は、アメリカンカジュアルな雰囲気に溢れていてくつろげる。テーブルに用意されたケチャップ(甘くない)とマスタードを適量つけて頬張るハンバーガーは久しぶりというだけのせいではなくとてもおいしく感じた。

 さて、ここからどうしよう。少し逡巡したが自由ヶ丘に向かう。途中、二子玉川の高島屋のロイズアンティークで自宅用にダイニングチェアーをチェック。欲しいものはあるが、目指しているものとは雰囲気、サイズともにチョイ違う。まっ、じっくりと探しましょう。で、自由ヶ丘の定点ショップ観察を数店。途中のお茶は今はやりの和カフェ、「古桑庵」でクリームあんみつ。古桑庵(こそうあん)という名前は夏目漱石の長女筆子の婿である小説家の松岡譲さんがつけたといういわれなどがメニューに紹介されている。

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 今年の2月に入居した私のマンションは和室をリビングの続きとしてフローリングの床にリフォームしてしまったので畳を感じることがない。久しぶりにこうして畳に座り、昭和という時代を感じているととても馴染んだ気分になる。じゅうぶんくつろいでから腰を上げ、六本木の国立新美術館へ向かう。ところが、夜の8時まで開館している金曜日とばかりに思って行ったのだがなんと今日は木曜日。入り口で本日は6時の閉館ですと入館を断られてしまう。トホホ。

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