2008年10月

繁栄店

 MとMの友達Aと一緒におゆみ野駅前のイタリアンで昼にする。Aの2人の子供たち(3歳と1歳半)も一緒だが、レストランのスタッフの対応がなかなかいい。店内は昼時で混んでいたが、スタッフは我々に対するさり気ない注目をしていてくれてなにかと気配りを忘れない。しかも、その眼差しに温かさを感じるのだ。モチロン、料理の味もいいのだが店が繁盛するにはそれだけではないサムシングが必要。この店の繁盛の秘密を見た気がした。

 食事をしながらAの話を聞くが、かなり赤裸々に現在の生活について打ち明ける。差しさわりがあるので詳しくは書けないが、20歳で結婚し家を買い二人の子を育てていく若い夫婦の健闘ぶりはなかなか健気だ。もちろん、問題も多い。そこを聞いてもらいたい、ということなんだろう。とはいえAはかなりのしっかりもので、将来の自分計画もきちんと決めていて着々と準備中。やはり女性のほうが男に比べて現実への対応力がするどいと感じてしまう。

ハンバーガー

 東京ディズニーランドのある舞浜駅の商業施設、「イクスピアリ」へ行く。ちょいとした買い物をウキウキ気分でして、遅めの昼を「KUA-AINA」で。ここはアメリカの一流紙で「宇宙一おいしいハンバーガー」の称号を授けられた、ノースショアーのハレイワにある超有名店の日本フランチャイズ店だ。青山店には幾度か行ったが、ここは初めて。

 いつもオーダーするアボガドバーガーはパスして、ベーコンチーズバーガーにした。カリッと焼けたベーコンとオニオンの甘みがミックスされた味は、まるでハレイワの本店のテラス席で味わっているかのような気分にさせてくれる。飲み物はコーラにしたが、なぜかハンバーガーにはコーラが合う。うーん、ハワイにまた行きたい。

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母親

 母親が入居している老人介護の施設での食事会が実家近くのファミレスであるとのことなので、午前中に町田に向かう。一番下の弟の家に行き、弟の嫁さんも含めて3人一緒に歩いて会場である近くのファミレスに向かう。二番目の弟はすでに到着して他の数人の家族と施設のスタッフとともに会食が始まる。母親は今年の春に本人の希望で施設に入居したのだが、私には先日の母の日以来の対面だ。母親は元気そうで、そんな姿を見ると当たり前だが嬉しい。

 食事会の途中、隣席の母親に「いままで生きてきてどう、幸せだった?」と訊いた。大正12年生まれの母親は今年で85歳になる。私が高校生のころ両親は離婚をして、以来彼女は女手ひとつで息子3人を育ててきた。商売や、アパートの経営などもしていた関係上、暮らしに困ったような経験をしたことはないが、それでも育ち盛りの男の子3人をそれぞれ大学まで行かせて、社会に出すまではそれなりの苦労もあっただろうと思い感謝は尽きない。

 私の質問に、母親は「うん、幸せだったよ」とはっきりと即答する。そうであって欲しいという期待通りの答えが返ってきて私は心の中でホッとして、癒された気がした。思わず、この歳をしてまだこうして母親に甘えているのだなという自分に気がついたりして、苦笑してしまう。だが、この程度の甘えは許される範疇だ。母親の生ある限りこうして緩やかな甘えを続けて行きたいと感じた一日だった。

 会が終了して、施設に戻る母親を送ってから私たち兄弟3人は実家に戻る。同じ敷地内に隣接して一番下の弟の家があり、飼っているコーギー犬の「ハル」も途中から参加して3時間ほど久しぶりに歓談の時間を過ごす。話題は最近の世界経済やら年金問題を中心として多岐にわたったが、楽しい時間だった。正月の再会を決めて、6時にお開き。

フェルメール展

 上野の東京都美術館で開催中の「フェルメール展」へ出かける。館内で配られた朝日新聞の特集(6月27日版)では、[傑作7点、上野に―それは魅惑的か、幻想的か。17世紀オランダの画家、フェルメール。独特の柔らかな光とともに時空を超えた作品が一挙7点、世界の各地から東京・上野にやって来る。作品数は過去最多で、うち4点は日本初公開。彼が生涯を過ごした地で育まれた、美の潮流「デルフト・スタイル」の画家たちの同時代作品も多数、来日する。名作たちに時を忘れ、こころ奪われる―。]とあった。

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 錦糸町で地下鉄の半蔵門線、銀座線と乗り継いで上野に下りる。昼を「上野やぶ」で新蕎麦を堪能。途中、御徒町のガード下では昼間にもかかわらず上の写真のように居酒屋の立ち飲みで盛り上がる客たちで盛況だ。暮れになれば買い物客でごった返す光景もテレビなどでお馴染みだ。

 鈴本演芸場のプログラムをチョイ見してから(聴きたい落語家も出ていなかったので)、不忍池から公園内に踏み込む。池ではハスの葉が生い茂り、下の写真のように前回と違った表情を見せている。

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 さて、フェルメールだ。出店作品7点のうちウイーン美術史美術館所蔵の「絵画芸術」の1点は作品保護のために急遽出展不可となり、アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵の「手紙を書く婦人と召使」に差し替えられていたが、7点ともに素晴らしい。光と影の対照的な使い方が、簡素で静謐な画面を鑑賞する側に色々なストーリーを想像させてくれる。思わず時間を忘れてしまう。

 出展不可になった「絵画芸術」は数年前に私はウイーンで見ている。「小路」はアムステルダムで、「リュートを調弦する女」はNYのメトロポリタンでそれぞれ鑑賞済みだが、ほかの「マルタとマリアの家のキリスト」、「ディアナアとニンフたち」、「ワイングラスを持つ娘」、「ヴァージルの前に座る若い女」などは今回が初めてだ。感動を言葉にするのは難しいが、他のデルフトの作品もふくめてつい見入ってしまう。絵の中の空気感とでも表現すればいいのだろうか、とても落ち着いた気分で絵に対峙している自分自身を発見してうれしい気分になった。

 下の写真は美術館の外にあるモニュメントで遊ぶ、祖父と孫と息子の嫁の3世代だ。祖父は孫をカメラに撮ろうと必死だ。右の写真は公園アーティストの奏でるサキソホンの音色に聞惚れている二匹の白い犬。曲は「虹の彼方に」だが、どうやら犬にも曲のよさがわかるらしく、うっとりとした表情をしていた。美術館のなかでは国際文化カレッジの「第12回総合写真展」も開催されていたので、私はチョイ見させてもらったが皆さんそれぞれが楽しい写真の数々で、眺めていて思わず私のカメラ心がうずうずしてくる。そんな気分で外にでてみたら結構楽しい被写体に世の中は満ちていて、つい下のようにシャッターを押してしまったというわけ。

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 駅までの途中、国立西洋美術館へ寄ってみる。ここは建築家のル・コルビジェが設計した日本で唯一の建築物なのだ。ちょうど「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」を開催中だったが、絵画展のハシゴでフェルメールの感動を薄めたくない気分でもあったので、次回に回すことにした。12月7日まで開催中だしね。ちなみに国立西洋美術館の前庭は、オープンミュージアムとしてロダンの作品が展示されていて、誰でも無料で鑑賞することが可能だ。私のお気に入りは、「カレーの市民」と定番の「考える人」の2点。

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